米を主食とする私たちは、古くから、川の水を水田のために使ってきました。「天狗岩(てんぐいわ)用水」「群馬用水」(群馬県)、「見沼代(みぬまだい)用水」「葛西(かさい)用水」(埼玉県・東京都)など、農業のための水路がたくさんつくられてきました。
また、水田のほか、野菜や果物、花、家畜などを育てるためにも川の水は使われています。
物を作る工場では水が欠かせません。
工場では作った部品を冷やしたり洗ったりするためにたくさんの水を使います。この工場で使う水にも利根川の水が使われています。
日本の経済が発達し、東京に多くの人々が住むようになると、家や工場で使う水もたくさん必要になりました。このため東京では水不足に悩まされるようになり、利根川に水をもとめるようになったのです。今では利根川の水が、中流につくった利根大堰から武蔵水路をとおり、途中、荒川を流れて東京まで運ばれています。このように、利根川の水は、わたしたちの生活だけでなく、農業や産業を支えています。