東京都の水道水は、ほとんどが利根川、荒川、多摩川の水を使っています。その中でも、利根川と荒川の水を多く使っており、東京都全体で使う水の約8割となっています。
利根川と荒川は武蔵水路(むさしすいろ)でつながっていて、利根川の水は、武蔵水路と荒川を通って東京まで運ばれます。
利根川の水は、主に東京23区と多摩東部に住む人々に送られています。
水は限りある貴重(きちょう)な資源(しげん)です。水不足の時だけではなく、ふだんから水を大切に使うことが必要です。 そのため、東京都では、貴重な水を大切に使うために、ろう水(水もれ)を防(ふせ)ぐための取り組みや、節水のPRなどをおこなっています。また、水のリサイクルや屋根に降(ふ)った雨水を利用したりするなど、水の使い方をいろいろ工夫しています。
水道管からのろう水を少しでも防(ふせ)ぐため、昼も夜もろう水がないか、調べています。水が流れる音を聞いて、ろう水している場所を見つけ修理(しゅうり)します。また、古くなった管を、新しいじょうぶな管に取りかえる工事も進めています。
新宿副都心地区では、一度使った水を近くの水再生(みずさいせい)センターできれいにして、水リサイクルセンターに送ります。
この水は、ビルに送られて、トイレに流す水などに使われます。
両国国技館では、屋根に降った雨水を、地下にある貯水槽(ちょすいそう)にためて、その水をトイレなどに使っています。
また、地震のときには、非常用(ひじょうよう)の水としても役立ちます。
地下に雨水をためる槽(そう)がいくつもあって、ためた雨水を、トイレに流す水や花の水やりなどに使っています。
東京のまちは、たくさんの建物やアスファルトの道路で地面がおおわれています。そのため、降った雨が地面にしみこまないで川にいっきに流れ込むようになり、川があふれてたびたび水害がおこりました。
このような水害を防(ふせ)ぐために、川の幅(はば)を広くするなどの改修(かいしゅう)を行ったり、雨水を一時的に貯(た)めたり、地下にしみこませたりする施設(しせつ)をつくっています。
利根川の水は上流から下流へと流れる間にくり返し使われるので、台所、トイレ、洗たく機、お風呂などから出た水によって、下流にたどりつくまでによごれてしまっています。そのため、東京都では、水道水のもとになる川の水を、高度浄水処理(こうどじょうすいしょり)という技術などを使って、より安全でおいしい水をつくろうと努力しています。
しかし、きれいな水を守るためには、ひとりひとりが、毎日の生活で水をよごさないように心がけることが大切です。